Last updated 2017-04-05

世話人代表挨拶

伝統ある日本死の臨床研究会の世話人代表に就任して


昭和大学医学部
医学教育学講座 教授
髙宮有介 (世話人代表)

 昨年、第42回日本死の臨床研究会年次大会総会で、山崎章郎前代表の後任として、世話人代表に就任いたしました。歴史と伝統のある日本死の臨床研究会を継承する責任の重さに、身が引き締まる思いです。

 当研究会は、今から42年前の1977年12月1日に創設されました。その目的は会則にある通り「死の臨床において、患者や家族に対する真の援助の道を全人的立場より研究していくこと」です。そして、近年の社会情勢も鑑み、患者と家族のみならず、災害や事故、自死などの「死に直面するすべての人とその家族」も対象として参りました。

 当研究会の創設後、日本ホスピス緩和ケア協会、日本緩和医療学会など様々な緩和ケア関連の会が開設されました。当研究会の世話人代表となり、多くの会の中で、改めて「日本死の臨床研究会らしさとは」を問うてみました。

 長い歴史があるということは、緩和ケアにおける老舗とも言えます。例えが適切ではないかもしれませんが、老舗の旅館があったとします。2代目、3代目がSNSを使って情報発信したり、客集めをする。新たな取り組みも大切です。しかし、大切なおもてなし、目に見えない配慮、気配りも肝要です。旅館を訪れた人が違和感を感じたり、失望するようではいけません。

 時代の波に乗りながら、当研究会らしさを出していきたいと考えています。一つ目は、年次大会で感じる温かさとおもてなしの心です。私は、2011年の第35回大会で、大会長の林章敏さんの下、実行委員長を務めました。皆がボランティアとして活動し、手作りの温かい会だと再認識しました。

 二つ目に、優しさだけでなく、時には厳しさも必要です。今は亡き当研究会の先人達がそうであったように、苦しむ人、弱い立場の人たちを守るためには闘う厳然とした態度も重要です。自分のためでなく、苦しむ誰かのために立ち上がるのだと思います。

 三つ目に、この会は「臨床」を掲げています。法律や国の予算・方針に声をあげ、改善を働きかけることも大切ですが、今、目の前にいる苦しむ人にどう向き合うか、それこそが当研究会に望まれていることだと思います。

 患者の死に寄り添う仕事ではありますが、自分自身の死を省みる機会も多くあります。20歳代、30歳代で看取った患者さんも多々ありましたが、私が35歳の時に出会った末期がんの男性は、同じ生年月日でした。息子と娘の年も同じ。その患者には死んでほしくないと願ったものですが、いのちを終えて逝かれました。その頃から、自分自身、来年は無いと思って生きてきたつもりです。一昨年、還暦祝いの会を教え子たちが開いてくれました。会の冒頭に、「今日は生前葬である」と宣言しました。私が亡くなった時に、この参加者は集うでしょうが、直接思い出を語り、感謝を述べることはできない。今、この瞬間を大切に生きたいと思っています。

 現在、昭和大学で医学部、歯学部、薬学部、看護、理学療法、作業療法の学生達に、死から生といのちを考える講義、プロフェッショナリズム、最近はセルフケア、マインドフルネスの教育を行っています。また、全国の小中学生から高校生、予備校生に「いのちの授業」も実践して参りました。臨床は、週一回長岡赤十字病院の緩和ケアチームのサポート、緩和ケア病棟としては京都のあそかビハーラ病院、衣笠ホスピスのお手伝いをしております。教育とともに、常に現場に触れていたいと思っております。

 2017年より、日本緩和医療学会、日本ホスピス緩和ケア協会等、18団体で緩和ケア関連団体会議が開催され、2021年にはアジア太平洋ホスピス大会もございます。日本死の臨床研究会の特徴を発揮しながら、各団体との協同作業も進めていきたいと存じます。

 第40回記念年次大会において札幌宣言2016が採択されました。「日本死の臨床研究会は、死の臨床において、患者や家族に対する真の援助の道を、これからも継続的に研究していくことを宣言します。この宣言を基に、全人的ケアを通して、全ての人が、人生の最期の時まで、希望する生き方を実現できるように、会員一同、努力することを誓います」我々、会員の決意であり、私もこの精神をしっかりと受け継いで行きます。

 会員および関係者の皆様と共に当研究会のさらなる発展に尽力できれば幸いです。皆様、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

年次大会

年次大会

第42回日本死の臨床研会年次大会報告

第42回日本死の臨床研会年次大会報告

 この度、新潟市にて第42回日本死の臨床研会年次大会を開催しました。それまで暖かい日が続いていましたが、狙いすましたように、前日は強風、当日は積雪に見舞われました。しかし、大きな交通機関の乱れもなく、ほぼ3000名の参加をいただき、盛況のうちに終えることが出来ました。

 今大会のテーマは【ひらかれた看取りをすべてのひとと~「いのち」と「死」を見つめて~】とし、講演、シンポジウム、事例検討、ポスター発表、演劇などを準備しました。またできるだけ多くの一般の方々に参加していただくため、10月に2日間のプレイベントを行いました。初日は山崎章郎先生原作の映画「病院で死ぬということ」の上映、二日目は青島広志さん、小野つとむさんの音楽とトークを一般の方々と共に楽しみ、当日は市民パスを発行して、安価で1階会場のみの入場をしていただく試みも行いました。

 今回、大会長2名が東京、実行委員長、副委員長が新潟という変則的な運用となりました。当初、大会長が先に決まり、その後会場と実行委員長を新潟にお願いすることになったため、このような状況となりました。新潟のコアメンバーと東京のコアメンバーが頻回に相談し、関東甲信越支部役員全員が実行委員として協力するという、地理的にハンディキャップのある運用となりましたが、新潟県、市からの補助金も申請し、新聞、テレビなどのメディアなどオール新潟での運営が出来ました。結果としては、関東甲信越支部全体としての連携もより深まったと実感しています。

 本大会は世話人代表を4年間務められた山崎先生が任期を終了される大会でもあり、特別講演をお願いしました。新潟らしいイベントも数多く盛り込みました。例年参加の多い事例検討の枠も大幅に拡大しましたが、会場に入れない方もありました。今後、振り返りを行い、運営上の課題などについて来年の神戸大会に引き継ぎをしたいと思います。

 最後になりましたが、新潟の方々(多くのボランティアにもご協力いただきました)、運営事務局のアドメディック、関東甲信越支部役員の皆様、本部事務局そしてご参加いただいたすべての方々に御礼を申し上げ、ご報告とさせていただきます。

事務局便り

事務局便り

<NEW> 第43回年次大会のご案内

会期:
2019年11月3日(日)~ 4日(月・祝)
会場:
神戸コンベンションセンター(兵庫県神戸市)
大会テーマ:
「生と死をめぐる葛藤を支える」
大会長:
安保博文(六甲病院 緩和ケア内科)
松本京子(ホームホスピス神戸なごみの家)
実行委員長:
坂木澤義之(神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科)

会誌の発行予定

第42回年次大会記録号『死の臨床73号』は、6月下旬に発行予定で作業を進めております。今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。

通常総会のご案内

2018年度通常総会が、去る12月8日(土)第42回年次大会会場において、開催され、当日も多数の出席がありました。ご協力を感謝申し上げます。
今年度の総会のための特別公演は山崎章郎先生による「私にとっての死の臨床」でした。

2019年度通常総会は2019年11月3日(日)年次大会会場にて開催されます。髙宮有介世話人代表の総会のための特別講演も予定しております。

通常総会への出席は、原則として会員の皆様の責務であると同時に、研究会活動をするにあたり、研究会の方向性や在り方を論議し、その議決に直接参加できる権利でもあります。

名古屋で開催された2009年度通常総会において、会則の一部が改正され、総会員数の5分の1をもって総会成立の定足数とすることが決定されました。

そのため、2019年度も、事前に通常総会開催のご案内をお送りし、出欠をお尋ねいたします。ファクシミリによる返信を予定しておりますので、必ずご返信ください。やむを得ずご欠席の場合は、委任状をご提出いただき、通常総会成立へのご協力を重ねてお願いいたします。

会費納入について

2018年度の年会費の納入をお願いいたします。

  • 会費が未納の場合、会誌等の送付の他、演題発表の資格がなくなります。(入会・退会細則第7条)
  • 年会費を2年間滞納されますと(2017年度分を未納で、4月末日までにご入金がない場合)、会則第10条により、自然退会となりますのでご注意ください。特に第42回年次大会で演題応募される場合は、早急にご送金ください。いったん自然退会となりますと、再入会手続きが必要です。
  • 年会費請求の封筒でお送りした振込用紙には、あなたの納入金額および年度が記入してあります。

振込口座

郵便振替(青い振込用紙)ゆうちょ銀行(郵便局)
口座番号 00130-8-580595 口座名義 日本死の臨床研究会

他行からの振り込みの場合
 ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店
当座 0580595 口座名義 日本死の臨床研究会

メディカルオンライン無料閲覧およびIDとパスワードの更新のお知らせ

2015年度よりメディカルオンラインでの会誌『死の臨床』の無料閲覧が出来るようになりました。専用IDとパスワードが必要ですが、毎年更新されます。2018年度年会費納入の方へニューズレターNo.84に同封いたします。

入会について

入会ご希望の方は、日本死の臨床研究会ホームページから申込書をダウンロードダウンロードしてご利用ください。入手できない場合は、本部事務局へご請求いただければ、お送りいたします。
なお、年次大会における演題発表者および共同研究者は、全員会員でなければならないという規則になっております(演題申し込み時に手続きが完了していること。「手続き中」は認められませんので、ご注意ください)。

手続きには1週間ほどを要します。毎年演題締め切り間際には入会申込みが急増いたしますので、第43回年次大会において演題申込みをご予定の方には、4月1日以降どうぞお早めに手続きをしていただくようご案内ください(会計年度が4月1日~翌3月末日のため)。

会員の皆様のご協力をお願いいたします。

退会について

やむを得ず本研究会から退会をご希望の方は、世話人代表宛の文書にして、E-mail、FAX、メールフォームにて、本部事務局までご連絡ください。

住所等変更について

ニューズレターや会誌が住所不明で返送されることが増えております。
メール便発送物は、郵便局への転送依頼だけではお手元に届きませんので、ご留意ください。
ご登録の住所(集合住宅の場合は部屋番号も明記)・勤務先等に変更がありましたら、速やかに、ホームページからのメールフォーム、FAXまたは葉書にて本部事務局までご連絡ください。その際は、お名前・会員番号を忘れずご記載ください。

『死の臨床』バックナンバー

日本死の臨床研究会会誌『死の臨床』バックナンバーの在庫があります。(別途送料が必要です)奇数号は原著投稿論文および前年度年次大会の記録集、偶数号は年次大会の予稿集です。

  • 66号~70号(第41回年次大会予稿集) 1,000円
  • 71号(第41回年次大会記録号)   2,000円
  • 72号(第42回年次大会予稿集)   2,000円

また、65号以前のバックナンバーについては、在庫があるものについてのみ、無料で差し上げます。

申込方法:ホームページメールフォーム、FAXにて、郵便番号、住所、氏名、電話番号、希望の会誌名(『死の臨床--号』)を明記の上、本部事務局宛お申し込みください。追って会誌と振込用紙をお送りいたします。なお、先着順となりますので、在庫切れの場合はご容赦ください。