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本会について

世話人代表挨拶

昭和大学医学部
医学教育学講座 教授
髙宮有介 (世話人代表)

昨年、第42回日本死の臨床研究会年次大会総会で、山崎章郎前代表の後任として、世話人代表に就任いたしました。歴史と伝統のある日本死の臨床研究会を継承する責任の重さに、身が引き締まる思いです。

当研究会は、今から42年前の1977年12月1日に創設されました。その目的は会則にある通り「死の臨床において、患者や家族に対する真の援助の道を全人的立場より研究していくこと」です。そして、近年の社会情勢も鑑み、患者と家族のみならず、災害や事故、自死などの「死に直面するすべての人とその家族」も対象として参りました。

当研究会の創設後、日本ホスピス緩和ケア協会、日本緩和医療学会など様々な緩和ケア関連の会が開設されました。当研究会の世話人代表となり、多くの会の中で、改めて「日本死の臨床研究会らしさとは」を問うてみました。

長い歴史があるということは、緩和ケアにおける老舗とも言えます。例えが適切ではないかもしれませんが、老舗の旅館があったとします。2代目、3代目がSNSを使って情報発信したり、客集めをする。新たな取り組みも大切です。しかし、大切なおもてなし、目に見えない配慮、気配りも肝要です。旅館を訪れた人が違和感を感じたり、失望するようではいけません。

時代の波に乗りながら、当研究会らしさを出していきたいと考えています。一つ目は、年次大会で感じる温かさとおもてなしの心です。私は、2011年の第35回大会で、大会長の林章敏さんの下、実行委員長を務めました。皆がボランティアとして活動し、手作りの温かい会だと再認識しました。

二つ目に、優しさだけでなく、時には厳しさも必要です。今は亡き当研究会の先人達がそうであったように、苦しむ人、弱い立場の人たちを守るためには闘う厳然とした態度も重要です。自分のためでなく、苦しむ誰かのために立ち上がるのだと思います。

三つ目に、この会は「臨床」を掲げています。法律や国の予算・方針に声をあげ、改善を働きかけることも大切ですが、今、目の前にいる苦しむ人にどう向き合うか、それこそが当研究会に望まれていることだと思います。

患者の死に寄り添う仕事ではありますが、自分自身の死を省みる機会も多くあります。20歳代、30歳代で看取った患者さんも多々ありましたが、私が35歳の時に出会った末期がんの男性は、同じ生年月日でした。息子と娘の年も同じ。その患者には死んでほしくないと願ったものですが、いのちを終えて逝かれました。その頃から、自分自身、来年は無いと思って生きてきたつもりです。一昨年、還暦祝いの会を教え子たちが開いてくれました。会の冒頭に、「今日は生前葬である」と宣言しました。私が亡くなった時に、この参加者は集うでしょうが、直接思い出を語り、感謝を述べることはできない。今、この瞬間を大切に生きたいと思っています。

現在、昭和大学で医学部、歯学部、薬学部、看護、理学療法、作業療法の学生達に、死から生といのちを考える講義、プロフェッショナリズム、最近はセルフケア、マインドフルネスの教育を行っています。また、全国の小中学生から高校生、予備校生に「いのちの授業」も実践して参りました。臨床は、週一回長岡赤十字病院の緩和ケアチームのサポート、緩和ケア病棟としては京都のあそかビハーラ病院、衣笠ホスピスのお手伝いをしております。教育とともに、常に現場に触れていたいと思っております。

2017年より、日本緩和医療学会、日本ホスピス緩和ケア協会等、18団体で緩和ケア関連団体会議が開催され、2021年にはアジア太平洋ホスピス大会もございます。日本死の臨床研究会の特徴を発揮しながら、各団体との協同作業も進めていきたいと存じます。

第40回記念年次大会において札幌宣言2016が採択されました。「日本死の臨床研究会は、死の臨床において、患者や家族に対する真の援助の道を、これからも継続的に研究していくことを宣言します。この宣言を基に、全人的ケアを通して、全ての人が、人生の最期の時まで、希望する生き方を実現できるように、会員一同、努力することを誓います」我々、会員の決意であり、私もこの精神をしっかりと受け継いで行きます。

会員および関係者の皆様と共に当研究会のさらなる発展に尽力できれば幸いです。皆様、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

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会則・内規

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年次大会の歴史

回数 開催年月日 開催場所 年次大会長(世話人・研究会長)*
1 1977(昭52).12.11 大阪 河野博臣
2 1978(昭53).11.26 東京 河野友信
3 1979(昭54).12. 2 神戸 金子仁郎、河野博臣、隅寛二
4 1980(昭55).11.30 大阪 岡安大仁、桂戴作、季羽倭文子
5 1981(昭56).11.29 大阪 柏木哲夫
6 1982(昭57).11.14 東京 篠田知璋
7 1983(昭58).11.27 京都 前川暢夫
8 1984(昭59).11.24-25 東京 水口公信、小松玲子**
9 1985(昭60).12.7-8 京都 福間誠之、河内恵美子
10 1986(昭61).11.29-30 東京 芳賀敏彦、渡会丹和子
11 1987(昭62).11.28-29 浜松 原義雄、長屋好美
12 1988(昭63).12.3-4 神戸 隅寛二、藤腹明子
13 1989(平 1).11.25-26 東京 季羽倭文子、アルフォンス・デーケン
14 1990(平 2).10.13-14 札幌 方波見康雄、峯岡智恵
15 1991(平 3).12.7-8 大阪 辻悟、林 治子
16 1992(平 4).10.17-18 福岡 藤江良郎、阿蘇品スミ子
17 1993(平 5).11.20-21 東京 小島操子、山崎章郎
18 1994(平 6).11.5-6 長岡 田宮仁、金子ノリ
19 1995(平 7).11.18-19 京都 西森三保子、中木高夫
20 1996(平 8).11.23-24 東京 佐藤禮子、松岡寿夫
21 1997(平 9).11.8-9 名古屋 渡辺正、馬場昌子
22 1998(平10).11.7-8 佐賀 柿川房子、三木浩司
23 1999(平11).9.17-18 札幌 形浦昭克、皆川智子
24 2000(平12).11.11-12 広島 本家好文、鈴木正子
25 2001(平13).11.17-18 仙台 山室誠、清水千世
26 2002(平14).11.23-24 高崎 斎藤龍生、渡辺孝子
27 2003(平15).11.15-16 徳島 寺島吉保、原田寛子
28 2004(平16).11.27-28 つくば 庄司進一、紙屋克子
29 2005(平17).11.12-13 山口 末永和之・兼安久恵
30 2006(平18).11.4-5 大阪 田村恵子、恒藤暁
31 2007(平19).11.10-11 熊本 井田栄一、尾山タカ子
32 2008(平20)10.4-5 札幌 藤井義博、菅原邦子
33 2009(平21)11.7-8 名古屋 佐藤健、安藤詳子
34 2010(平22)11.6-7 盛岡 蘆野吉和、長澤昌子
35 2011(平成23)10.9-10 千葉 林章敏、小松浩子
36 2012(平成24)11.3-4 京都 堀泰祐、若村智子
37 2013(平成25)11.2-3 松江 安部睦美、石口房子*3
38 2014(平成26)11.1-2 別府 山岡憲夫、日浦あつ子
39 2015(平成27)10.11-12 岐阜 西村幸祐、澤井美穂
40 2016(平成28)10.8-9 札幌 前野宏、門脇睦子 (名誉大会長:石垣靖子)****
41 2017(平成29)10.7-8 秋田 嘉藤茂、石川千夏
42 2018(平成30)12.8-9 新潟 三宅智、梅田恵

予定

回数 開催年月日 開催場所 年次大会長(世話人・研究会長)*
43 2019(平成31)11.3-4 神戸 安保博文、松本京子
44 2020.10.17-18 松山 中橋 恒、井上実穂

* 主催する世話人は第10回から「研究会長」、第19回から「年次大会長」 と称することになった。

** 第7回から主催する世話人は男女のペアとなった。

***第37回は異職種のペアとなった。

****第40回の記念大会のため特別に名誉大会長を設けた。

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組織

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研究助成報告書

この内容を引用する場合はホームページに掲載された研究助成報告書の内容を引用していることを明記してください。

2017
年度
実習で臨死期患者にかかわる際の看護学生の不安と不安の緩和要因、および教員に求める支援の究明研究 鹿児島大学医学部保健学科 清水佐智子 PDF
2016
年度
病院や在宅で看取りを行ったがん患者遺族の心的外傷後成長(Posttraumatic growth:PTG)と関連要因 佐賀大学医学部看護学科 武富由美子 PDF
2015
年度
ホスピス緩和ケア領域における音楽療法の実態調査とガイドライン作成 社会福祉法人信愛報恩会 信愛病院 北川美歩 PDF
2014
年度
多死社会における高齢者の死への態度と死の迎え方に関する研究 -生涯発達の視点からの提言-   関西国際大学 保健医療学部看護学科 中木里実 PDF
2013
年度
子育て期間中に妻との死別を体験した寡夫のニーズおよび社会的支援の現状と展望 -生涯発達の視点からの提言- 高崎健康福祉大学保健医療学部 倉林しのぶ PDF
  エンド・オブ・ライフ・ケアにおける看護師が体験する悲嘆に関する研究 キーワード:看護師の悲嘆、エンド・オブ・ライフ・ケア、体験 -生涯発達の視点からの提言- 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 看護学科 小林珠実 PDF
  予後告知に関する医学生の意識-医学教育プログラムの開発に向けて- キーワード:看護師の悲嘆、エンド・オブ・ライフ・ケア、体験 名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 総合医学教育学 山木照子 PDF
2012
年度
緩和ケアのエキスパートナースによる終末期がん患者の倦怠感に関するアセスメントとケアの実態 大阪府立大学看護学部 池内香織 PDF
  「終末期がん患者とその家族への在宅療養移行における支援内容とその評価~遺族のインタビューから~」 大阪府立大学看護学部 岡本双美子 PDF
  「ホスピス・緩和ケア病棟の「バーチャル・ペイシェント」事例の作成と評価 日本赤十字広島看護大学 実藤基子 PDF
2011
年度
わが国の緩和ケア病棟における宗教家の活動の現状 藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座 村瀬正光 PDF
2010
年度
がん終末期の統合失調症患者を看取る 精神科看護師の戸惑いと希望 前鹿児島純心女子大学看護栄養学部 荒井春生 PDF
  特別養護老人ホーム施設職員の臨終期におけるケアの実態 -全国の質問紙調査と離島の面接調査を通して- 熊本学園大 石川美智 PDF
  主治医と患者・家族における「予後認識のずれ」についての研究 川崎市立井田病院 佐藤恭子 PDF
2009
年度
若年者の自殺関連行動と死生観に関する研究 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神研究所 赤澤正人 PDF
  終末期がん患者の疲労とサイトカインの関連の検討 大久保病院 永崎栄次郎 PDF
  外来において治療を継続していく乳がん患者の力 -家族からのサポートの側面に焦点をあてて- 聖路加看護大学大学院看護学研究科 博士後期課程 山手美和 PDF
2008
年度
エンバーミング(遺体衛生保全)の意思決定が 遺族の悲嘆に与える影響に関する社会心理学的研究 -意思決定を巡る当事者間相互作用に焦点をあてて- 関西大学大学院 心理学研究科 博士課程後期課程 佐藤貴之 PDF
2007
年度
ビハーラで最期を迎えるということの価値は どこにあるとひとびとは考えているか? -仏教者の役割意識と病棟スタッフの捉え方に焦点をあてて- 医療法人崇徳会 長岡西病院ビハーラ病棟   的場和子/多賀裕美/多田洋子/森田敬史   PDF
  「身の置き所のない」倦怠感がある終末期がん患者の様相とそれに対する緩和ケア   日本赤十字広島看護大学 植田喜久子 PDF

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論文リスト

2010年〜

No.552010
No.572011
No.592012
No.612013
No.63 2014
No.652015
No.672016
No.692017
No.712018

それ以前のもの

No. 発行年 No. 発行年 No. 発行年 No. 発行年
1 1978 3 1980 15 1990 35 2000
2 1979 4 1981 17 1991 37 2001
    5 1982 19 1992 39 2002
    6 1983 21 1993 41 2003
    7 1984 23 1994 43 2004
    8 1985 25 1995 45 2005
    9 1986 27 1996 47 2006
    10 1987 29 1997 49 2007
    11 1988 31 1998 51 2008
    13 1989 33 1999 53 2009
1978〜1979 1980〜1989 1990〜1999 2000〜2009

*会誌「死の臨床」は1989年以降は偶数番号は抄録プログラムになります。 

 論文はこちらでダウンロードできます

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